鋼材規格の比較:CNS・JIS・AISI・ASTM・DIN
鋼鉄材質の特性を理解することは、金属加工の基本であり、最も重要な第一歩でもあります。カスタマイズの金属部品を開発あるいは製作する場合、先に顧客と繰り返し協議してその需要を理解します。また天芸開発チームの経験を根拠に最適な鋼鉄材質原料を推薦して、その金属のOEM/ODM図面設計、金属の精密鍛造、金属加工処理等が効率よく行われ、コストの最適化を図ります。
鋼鉄や金属加工プロセスを推進する前、以下の国際規格こそ基本的な知識です。
1.台湾国家標準(CNS)
台湾国家標準CNSはChinese National Standardの略称で、CNSは鋼鉄材料のコードに対し主にCNS109 G1001(1947年3月公布、1996年3月修正)を根拠にして、原則上以下3つの部分で組成されています:
第1部分は材質で、鋼鉄材料は主にS(Steel鋼)とF (Ferrum鉄)で表示されます。
標準名称と製品用とを表示します。よく使われる記号-P:Plate(薄板)、T:Tube(管)、U:Use(特殊用途)、W:Wire(線材)、F:Forging (鍛造)、C:Casting(鋳造)
例:S P CC:Plate、鋼板(冷間圧延)。SUP:Use Spring、バネ用鋼
b.構造に用いる鋼材(構造用炭素鋼及び合金鋼を含む)は、主に合金の元素あるいは炭素含有量(構造用炭素鋼の場合)を表して、炭素含有量を表示する場合は、通常炭素含有量の100倍の数値で表示します。例:SCM420:クロムモリブデン鋼、第420種。S25C:炭素鋼、炭素含有量0.25%。
第3部分は材料の種類番号、あるいは最も低い引張り強度、圧縮強度です。最小の引張り強度あるいは最小の圧縮強度は通常3桁の数字で表示します。
例:SCM 420はクロムモリブデン鋼のコード420の材料を表示します。
2.日本工業標準(JIS)
JISはJapanese Industrial Standardの略称で、JISは鋼鉄材料のコードについて大きく2つに分けています:
(1)一般機械構造用炭素鋼:
材料のコード方法はCNSの第1種表示法と同じです。
例:S30Cは炭素含有量が0.30%の機械構造用炭素鋼です
(2)その他用途の炭素鋼及び合金鋼:
この種類の材料コード表示法は、3つに分けられています:
第1部分は材質で、鋼はS、鉄はFで表示し、その他の非鉄金属類は表11の通りです。
第2部分は鋼製品の規格あるいは用途を表示していて、例えば、Kは工具鋼、TBはボイラー用鋼管、PC2は冷間圧延鋼板を表します。
第3部分は鋼料の種類で、1、2、3で表示します。
このほか必要な場合は材料の加工方法や熱処理方式を後ろに注記します。加工方法は例えば、D(Drawing)引延ばし、G(Grinding)研磨、T (Turning)旋盤、Ex(Extruded)押出しです、。熱処理の方式は金属記号の後につけることが多く、2者の間には"-"を入れます
例:SK2:第2種炭素工具鋼 SKS11:第11種切削工具鋼
3.米国鉄鋼協会-米国自動車技術者協会(AISI-SAE)
AISIとSAEは1941年に共同で鋼鉄材料の分類をさだめ、4桁(あるいは5桁)の数字記号で分類しています。
1桁目は鋼材料の種類を示します。例:ニッケル鋼は2、タングステン鋼は7です。
2桁目は合金元素の百分比で、0はその他の合金元素がないことを示しています。
第3、第4桁目(あるいは第3、4、5桁目)は炭素含有量を示します。
例:SAE4140:炭素含有量0.40クロムモリブデン鋼で、JISのSCM440鋼材料に相当します。
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鋼の種類 |
コード |
鋼の種類 |
コード |
|
炭素鋼 |
1××× |
耐熱鋼 |
30××× |
|
普通炭素鋼 |
10×× |
モリブデン鋼 |
4××× |
|
快削鋼(硫黄含有 |
11×× |
Cr(0.7﹪) |
41×× |
|
マンガン鋼 |
13×× |
Ni-Cr |
43×× |
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ニッケル鋼 |
2××× |
Ni(1.75﹪) |
46×× |
|
0.50﹪Ni |
20×× |
クロム鋼 |
5××× |
|
1.50﹪Ni |
21×× |
Cr(1.0﹪) |
51×× |
|
3.50﹪Ni |
23×× |
Cr(1.5﹪) |
52×× |
|
ニッケルクロム鋼 |
3××× |
クロムバナジウム鋼 |
6××× |
|
1.25﹪Ni0.6﹪Cr |
31×× |
タングステン鋼 |
7××× |
|
1.75﹪Ni1.0﹪Cr |
32×× |
ニッケルクロムモリブデン |
8××× |
|
3.50﹪Ni1.5﹪Cr |
33×× |
珪素マンガン鋼 |
9××× |
4.ASTMインターナショナル(ASTM)及びアメリカ機械学会(ASME)
ASTMは非常に広範に採用されている材料規範で、その特徴は製品の特性及びパフォーマンスについて定めています。ASTMの表示法はアルファベット+コードで表示し、さらに年代で補佐する混合標示です。ASMEはASTMの規範を相当多く採用していて、前にSをつけて表示します。
ASTMの表示法:
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始めのアルファベット |
表示の意味 |
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A |
鋼鉄類 |
|
B |
非鉄金属類 |
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C |
一般試験法 |
例:ASTM A36-77aのその中のA 36 - 77 aは、
(鋼鉄) (構造用) (1977年) (第1回修正)
5.ドイツ工業規格(DIN)
DINは英語ではなく、ドイツ語Deutsches Institut für Normung e.V.の略語です。ドイツ工業規格の鋼鉄材料に関する規格はDIN 17006で、補足説明はDIN 17007にあります。1974年にISO制度に変更されて、EURONORM 27-74に代わりました。アルファベットと数字でその特徴を標示しますが、アルファベットは鋼鉄の種類、製錬方法、合金材料、処理情況等を規定して、数字は鋼鉄材料、炭素含有量、引張り強度、主要合金の成分倍数等を規定します。
(1)炭素鋼
一般に炭素元素の標記及びその炭素含有量を示して、例えばC60は0.6%Cを含有する炭素鋼を示します。また、引張り強度やその他の表示法もあります。例えば、St50は引張り強度50 kg/mm2の構造用炭素鋼を、CK40は燐、硫含有量が低く、引張り強度が40 kg/mm2の炭素鋼を示します。
(2)高級鋼材及び低合金鋼
その主要合金元素と含有量で標記しますが、その中の第3部分の含有量では、小数点の表示を避けるため、表示する値はすでに固定の倍数を乗じて、整数の形で表示します。ですからコードから実際の含有量を取得する場合は、倍数で除さなければなりません。
第1部分 炭素含有量
第2部分 合金元素の種類
第3部分 合金元素含有量
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合金元素 |
倍數 |
|
Cr、Co、Mn、Ni、Si、W |
4 |
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Al、Be、Pb、Cu、Mo、Nb、Ta、Ti、V |
10 |
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P、S、N、Ce、C |
100 |
|
B |
1000 |
例えば、 炭素含有量0.34%クロム含有量1%の鋼材は、34Cr4で表示します
これに従って、13CrV53は炭素含有量0.13%、クロム含有量5/4 = 1.25%、バナジウム含有量3/10 = 0.3%を示します%
(3)高合金鋼
標記前に"x"をつけます。また合金元素含有量が高いため、倍数を乗せずに、直接表示します。(前述のように、高合金鋼は通常合金の総含有量が8%以上の鋼材を指します)
例えば、 炭素含有量0.12%のステンレスで、クロム含有量18%、ニッケル含有量8%はX12CrNi18 8と表示します
(4)鋳鉄、鋳鋼
前にGが標記されているのは一般の鋳造部品で、別途その他のアルファベットで種類を示します。続く標示は鋼のコードと同じで、表1に示す通りです。
例えば、 GS-C30は鋳鋼で、炭素含有量0.30%です
G-X120Mn12は炭素含有量1.20%の鋳鉄で、マンガン含有量は12%です。
ドイツ工業規格DINの鋳鉄分類
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GS |
鋳鋼 |
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GG |
ねずみ鋳鉄 |
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GGL |
片状黒鉛鋳鉄 |
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GGG |
球状黒鉛柱鉄 |
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GT |
可鍛鋳鉄 |
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GTS |
黒心可鍛鋳鉄 |
|
GTW |
白心可鍛鋳鉄 |